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2005年 10月 11日
なかよし小鳩組荻原 浩 / 集英社 スコア選択: ★★★★★ 早苗ちゃんにつきる。 面白かったです、ええ、とても。 うん、面白かった。 ただなあ…なんか、腑に落ちないというか。 多分、ふんぎりつける何かが欲しかったのだとは思いますが。 倒産しそうなユニバーサル広告社の皆が、やくざのCIをやることになって 奔走するっていう話の上に、その広告社のクリエイティブディレクター 杉山の家庭のお話がのっかるわけなんですが、うまく折り合いがついて いない気がするんですよね。最後は杉山と娘早苗の別れと旅立ち風味に 話が決着しているわけですが、一体全体、やくざのCIの方はどうなったんですか?的な 終わり方でこちらが気になって仕方ありません。 マラソン後どうなったのか、もしくはどう結末したのかを知りたかったんですが…。 どうして早苗の前で走ってる父、おわっちゃったのか謎です。 結構こっちは感動させられてるのに、最後の終わりの曖昧さが 腑に落ちないってことですね。 この本で一番良かったのは 早苗ちゃんです。 彼女のキャラクターがよすぎてすっごい楽しかった。 「もっちロンドンパリ」とか普通に使いそうなほどです。 いや、もちろん使わないけど…(笑)。 ぷるるっぷー。 好き。 好き! こういう活発で変な子を作ろう(笑)。 毎日が楽しそうです。 ぜひとも昼ドラを見せよう(ダメママ予備軍)。 っとまあキャラクタが良かったものの、なんとも惜しい本でした。 実はこのシリーズ、この本から読んでしまったので 前作を今読んでいます。 順番逆だけど…まあいいかな。 あと読みたいのはハードボイルドエッグです。 本屋さんで探しても見つからないのがミソ。 くそ、渋谷の本屋のくせに!!! 2005年 10月 10日
Pay day!!!山田 詠美 / 新潮社 スコア選択: ★★★★★ 山田詠美という作家はなんて憎たらしいのだろう。 彼女の筆力、もとい握力で握りつぶされてしまった心地がした。 「お父さんは、お母さんと離婚しなければ頑張らなかったわ」 彼女はそう私に言った。 笑顔だった。 彼女と離婚して父は今まで細々とやっていた保険代理店を諦め 商社と合併する道を歩んだことを話して聞かせたときのことだ。 「この人はいつまで自分を正当化しようとするのだろうか」 私の胸のうちには、彼女の優越感めいた態度を拒絶する気持ちがうずまいていた。 「離婚しなければ」だなんて自分勝手な言い分を、さも自分は偉いという風に 娘に語ることなのか。娘を3人も捨てた母親の言う事じゃない。 彼女は自己顕示欲が強く、田舎者のくせに自分は都会の人間であるかのように ふるまった。会って3日もたたない男にプロポーズされ、半月も経たず、娘に 了承も得ず、離婚した。今はすぐに手の届かないグアムなんてところに 住んでいる。 勝手な親を持つと子供は苦労する。 憎しみや失望や絶望を彼女に教わった。 けれど、時々、嫌になるくらい自分の中に彼女を見つける。 いくら憎んでも、いくら見ないようにしても、やはり彼女の血が 私の中には流れているのだ。 悔しいけれど、これは認めなければならない事実だ。 そして、給料日前になると彼女を思い出すのだ。 社会人なりたてでお金のないときに助けてくれた彼女のことを。 ロビンは女には男が必要だと、よく言っていた。 それはきっと当たっている。 両親が離婚したとき、やっぱり私がよりどころとしたのが男の子だったからだ。 泣いている自分を優しく抱きとめてくれ、撫でられる背に至福を感じた。 悲しみにくれているはずの自分が感じている幸福な気持ちに罪悪感を覚えた。 それでも、その場を動きたくない心地よさ。 母も、そんな場所を欲していたのかもしれない。 父ではない誰か。泣き場所を。 山田詠美は痛いところをピンポイントでついてくる。 綺麗ごとではない真実を、まるでなんでもないことのように。 ハーモニーの母への思いは、私のそれと重なり ロビンの我慢強さが私の今までと重なった。 この2人は多分、私なのだ。 大人がいい加減な今の世の中、これだけ子供の本当の気持ちを ストレートに表現している作家がいるなんて思いもしなかった。 自分がどれだけ苦しかったのか、どれだけ我慢してそれをやり過ごしていたのか 本を読むまで気付かなかった。 誰だって乗り越える壁だけれど、時には不幸の波から逃れられない子供もいる。 捨てられたと思い込んでいる17才の妹にこの本をあげよう。 そしてロビンやハーモニーと共に、悲しみを乗り越えて欲しい。 「その人が大事だったかどうかは、失くした後に、ようやく解る」 アンクルウィリアムが言った。 憎しみ続けて何になる。母は色々なことを私に教えてくれた。 やっぱり愛すべき人だ。 何か両親に贈ろう。だって今週は給料日だ。 It's a good for pay day!!!
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